鉄道模型の買取相場はどう決まる？鉄道模型の流通の仕組みから専門店に聞いてみた

どんな鉄道模型が高く評価されるのか？
予約なしでは人気のNゲージは購入できない？
Nゲージの「中古相場」はどのように決まる？
Nゲージを売却する時どこに気をつける？
結論中古Nゲージの相場はメーカー次第？
店舗情報
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どんな鉄道模型が高く評価されるのか？

日本全国に、新品・中古問わず、何らかの形で鉄道模型を取り扱うショップが1400店以上、存在します（EC店舗も含む）。その内訳は、新品を中心に販売する鉄道模型専門店やホビーショップなどが約800店、リサイクルショップなどで、中古の鉄道模型の取り扱いをするお店が約600店となっています（価格ガイド編集部調べ）。

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では実際、それら中古鉄道模型取扱店舗では持ち込まれた鉄道模型をどのように査定し、買取金額を設定しているのでしょう。鉄道模型専門店としては日本最多46店舗の規模で、その全店で中古品の取り扱いをしている「ポポンデッタ」と、宅配・出張・店頭の3つの買取方法で日本全国から鉄道模型の買取りをしている「鉄道模型高く売れるドットコム」の担当者に、最もポピュラーな鉄道模型である「Nゲージ」の中古市場について話を聞きました。両社の買取方針に違いはあるのでしょうか。

予約なしでは人気のNゲージは購入できない？

中古Nゲージ市場を知るためには、前提として新品Nゲージの販売の仕組みを理解する必要があるでしょう。新製品のNゲージ車両の流通について、「ポポンデッタ秋葉原店」の谷山店長に話を聞きました。

——新品Nゲージ車両の流通システムはどのような感じになっているのでしょうか？

KATO、TOMIX、マイクロエース、グリーンマックスの国内主要4社からは、数か月先に発売される予定の新製品が毎月、発表されます。その中に欲しい車種があるユーザーは、模型店などで予約をします。メーカーはその予約数を参考に、生産数量を決定するのです。

TOMIXの新製品ポスター（画像：TOMIX）。

——予約販売が中心というわけですね。

そうですね。人気車両になればなるほど、事前に予約することをおすすめしています。

——予約をしないと購入できない場合もあるのでしょうか？

予約販売は、余剰在庫を生みにくく、メーカーや小売店にはメリットが多いのですが、反面、予約終了後や発売後に何らかの事情によりその車種の人気が出て、予約をされていないお客様が増えても対応できない場合もあります。

——いわゆる「ショートした」という状態ですね。

そうです。そんなに頻発するわけではありませんが、数年に一度、そのようなことが起こります。

——その人気商品が中古市場でも人気になるのでしょうか？

ほぼ中古市場にしかない製品ですからね。新しいため商品の状態も良く、高額査定になることも多いですね。ただし、そのような商品でも、買取価格が新品の定価を上回ることはあまりありません。

Nゲージの「中古相場」はどのように決まる？

ここからは中古品のお話になります。中古市場での値動きなどについて、「鉄道模型高く売れるドットコム」で鉄道模型査定歴10年の高野さんにお話を聞きました。

——発売時期を経過してから、人気が高まる製品もあるのでしょうか？

基本は古くなればなるほど、価値は下がってしまいます。再生産のスパンが比較的短いTOMIX製品は、特にその傾向が強いです。一方、基本的に再生産を行わないマイクロエース製品は、古い製品の人気が出ることもあります。

——それはどういった理由によるのでしょう？

一度だけ発売された車種が、再販されることもなく、他社からも発売されないと必然的に人気が集中しますよね。さらに、新製品時に人気がなかったため販売数が少なく、希少価値が生じて、いま探している方が増えていることもあります。具体的には、そのマイクロエースの「国鉄185系の試案塗装編成」のセットが、実車が存在しないためか当時はまったく人気がなかったのですが、いまは人気ですね。

マイクロエース国鉄185系試案塗装編成のNゲージ。

——それ以外で、中古市場で人気が高い製品はありますか？

同じマイクロエース製品なのですが、「銀河鉄道999」は安定した人気です。TV版と劇場版の2種類があるのですが、かなり古い製品にも関わらずどちらも高値で取引されています。

Nゲージを売却する時どこに気をつける？

では実際、ユーザーがNゲージ車両を売却する際はどのような点に気をつければ良いでしょうか。引き続き、ポポンデッタの谷山さんに話を聞きました。

——査定に出す際、どのような点に気をつければ良いでしょう？

買ったときの状態に近づけることです。できるだけ、説明書や帯などもきれいに保管しておきましょう。

ポポンデッタあきばリユース店の店内。

最近は、基本セットと増結セットをまとめて収納できるサードパーティー製のスポンジを利用する方も多いのですが、元のスポンジがあればそれに戻し、それぞれ査定に出した方が高額査定になります。

——それはどうしてでしょうか？

何よりもメーカーが付与した品番がある商品になりますよね。セットをまとめたものはオリジナルアイテムになってしまうため、たとえ車両に問題がなくとも、査定額は下がってしまいます。

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鉄道模型高く売れるドットコムの高野さんにも、同じ質問をしてみました。

——査定に出す際、どのような点に気をつければ良いでしょう？

新品に近ければ近いほど、ケースや印刷物の状態も大切ですので、普段から大切に扱いましょう。逆にガンガン走らせた車両は、車両そのものがしっかりしていれば、ケースや印刷物の状態が多少悪くてもそれほど影響しません。

——室内灯を装着したり、カプラー（連結器）を交換したりしている方も多いと思いますが、こちらも元に戻した方が良いでしょうか？

当店に関して言えば、室内灯のあるなしは、査定にほとんど影響しません。買取りをしたNゲージを購入される方で「室内灯が付いていてラッキー」と思われる方もいれば、室内灯を付けずにコレクションしている方もいらっしゃいますので。カプラーも同様で、ほとんど影響を受けません。

室内灯に関する詳しい情報は「鉄道模型ドレスアップの定番『室内灯』装着車両は売却すると高くなる？安くなる？」で詳しく紹介しています。

結論中古Nゲージの相場はメーカー次第？

中古Nゲージの相場は、メーカーの新製品や再生産の状況によって大きく左右されるようです。以前発売されたきり、再生産も新製品予定リストにもない車両が高額で取引きされています。もちろん、別のメーカーの商品が値動きに影響することもあり、「(2021年夏ごろまで）非常に高値だったマイクロエースE215系は、TOMIXから製品化が発表された途端、一気に値下がりしました」（ポポンデッタ谷山さん）とのことです。