Nゲージを売る前に知っておきたいこと3選高額買取のコツは？

鉄道模型の高額買取は狙ってできるものなの？
ポイント1　Nゲージ車両の状態に気を配る
ポイント2　新品購入時の付属品も大事
ポイント3　Nゲージ車両以外にも注意するべき点アリ
1. 車両を入れるケースにも気を配りましょう。
「室内灯」問題ほか鉄道模型の売却に際し知っておきたいこと
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鉄道模型の高額買取は狙ってできるものなの？

日本の鉄道模型市場の中でも8割ほどのシェアをもつNゲージは、中古の買取需要も高く、多くの鉄道模型買取事業者が存在しています。

鉄道模型を売却する場合は、鉄道模型買取業者の多くが査定に「影響が出る」と話すいくつかのポイントがあります。

結論からいうと、高い査定額が出る鉄道模型は、新品同様かそれに近い状態にあるものです。では、どのあたりが新品同様と判断されるのでしょうか。以下、ふだんから注意しておくことをおすすめしたい、高額買取につながるかもしれないポイントを3つ、挙げていきます。

ポイント1　Nゲージ車両の状態に気を配る

ユーザーが雪のウェザリングを施した国鉄583系車両。

Nゲージを売却する上で何よりも大切なポイントは、車両の状態が良好であるかどうかです。ここでいう「良好な状態」とは、走行面と、車体面のふたつのポイントが大きく関わります。車両の走行に不具合がある場合や、外観に著しい損傷がある場合、マイナス査定につながることはかんたんに想像できます。

ひとつ目の走行面に関しては、モーター車が安定して走行できるかどうか、に着目します。モーター車の調子が悪く、スムーズに走らない場合は、もしかすると車輪に汚れが付着しているだけかもしれません。そのような場合は、取り扱い説明書などを参考にしながら専用クリーナーで汚れを落とすことで、走行が安定します。特に、しばらく走らせていなかった車両は、試走をして状態を確認してから査定に出すのが良いでしょう。

ふたつ目の車体面に関しては、新品時と比較し車体についている部品や、傷や汚れなどの状態に着目します。たとえば、Nゲージの部品のなかで最も壊れやすいもののひとつが「パンタフラフ」で、これが壊れたまま査定に出せば、部品が破損していると判断され、マイナス評価につながります。機関車に多いデッキの手すりや、新幹線や特急車両に多いアンテナなども同様に破損しやすい部分ですので、普段から大切に取扱いましょう。

さらに、車体に雪やサビなどの汚れを表現する「ウェザリング」の入ったものも、新品時の状態から見た目が大きく変化していると判断されます。名の通ったプロがウェザリングを施した「作品」や、新品販売時からウェザリングが施されている鉄道模型以外は、基本的にはマイナス査定になってしまうので注意しましょう。

ポイント2　新品購入時の付属品も大事

TOMIX「相鉄12000系」に同梱されている前面行き先表示と先頭車アンテナ類。

新品で購入したNゲージには、多くの場合「インスタントレタリング（インレタ）」と呼ばれる付属のシール類や、車両の先頭部に取り付けるアンテナ類などの付属品が同梱されています。これら付属のインレタを使用し、自分好みの番号や行き先にする人も多いようです。しかし極端な話、高額買取の秘訣は、これらの同梱物は使用せずにそのまま保管すること、になります。

Nゲージを売却する際にマイナス査定となるのは、経年劣化や傷、付属品の欠損などさまざまな要素があります。まとめると「新品状態から不可逆な変化が加わっていること」といえるでしょう。付属品の欠損がこれに該当することは明白で、そしてそれらは往々にして壊れやすく、失くしやすいものです。

一方で、「インレタを貼る」という行為も一見、この不可逆な変化に該当しそうですが、実はそうでもありません。なぜなら売却時にそれを綺麗に剥がし、同梱されていたものと同じインレタを改めて購入すれば、新品同様に復原することは可能だからです。しかし、その復元にかかる費用や手間を考えると、果たしてそれが買取査定額アップ分に見合うものかどうかはわかりません。ほとんどの場合、見合うことはないでしょう。よって先々、売却も検討する可能性がある場合は、インレタや付属品は使用しないほうが無難ということになるわけです。

ただし、ある鉄道模型専門店の店員は「当店では、アンテナや信号炎管はきちんと取り付けられてさえいれば減点しない」と話します。「一般的にアンテナ類の取付けは、ランナーから切り出し、（商品によってははピンバイスで穴を開け）指定された穴に向きや角度に注意して差し込む（接着する）という作業が必要で、その工程を嫌う方もいるため」ということでした。

ポイント3　Nゲージ車両以外にも注意するべき点アリ

Nゲージのケースと外箱。出し入れする際の傷が使用感を生み出す。

Nゲージを売却する際にもう一歩踏み込んだ注意点として挙げられるのが、「外箱やケースの状態」です。

外箱は破れやすり傷が、車両ケースは止め具の破損といった使用感があると、買取額が下がります。このような、目につく傷や破損は大きなマイナス要素です。

退色についても注意しましょう。直射日光が当たらなくても、棚に並べておくだけで日焼けや色あせは発生してしまいます。もちろん、直射日光が当たる場所はもってのほかで、理想は暗所で保管することです。

実は、売却する車両の状態が程度良好以下の場合は、外箱やケースの状態はさほど問題にならないようです。ケースの状態が査定要素として考慮されるのは、車両が新品同様の場合だということです。詳しくは「Nゲージの査定現場に立ち会ってみたら想像とちょっと違ったプロはどこをチェックする？」のページで紹介しています。

車両を入れるケースにも気を配りましょう。

実車が長編成の場合、それをNゲージで再現するために、「基本セット」と「増結セット」といった、別商品として販売されている場合があります。それらで実車どおりの編成を再現すると、車両ケースは基本セットと増結セットのふたつ以上が手元にあることになります。

それら車両をまとめてひとつのケースに保管できる、サードパーティ製のスポンジなども人気ですが、これを使用した状態のまま売却すると、やはり新品と違う状態になるということから、査定額はほぼ確実に下がります。少しでも高額買取を狙いたいなら、購入時のケースに戻してから売却しましょう。

「室内灯」問題ほか鉄道模型の売却に際し知っておきたいこと

以上３つのポイントに注意すれば、鉄道模型の買取査定時に新品同様やそれに近いと判断され、高額買取が期待できます。繰り返しますが、査定額の決め手となる最も重要な点は「新品同様か否か」です。

ただ、鉄道模型のドレスアップとして一般的な「室内灯」を取り付けている車両に関しては、確かに新品状態から変更されていることになりますが、査定額に影響は少ないようです。この点については、こちらの記事「鉄道模型ドレスアップの定番『室内灯』装着車両は売却すると高くなる？安くなる？」にて、中古買取店への取材を交え解説しています。

このほか、中古鉄道模型を買取る側の査定担当者はどこを見ているのかについては、「鉄道高く売れるドットコム」と「ポポンデッタあきばリユース店」で具体的な話を聞き「鉄道模型の買取相場はどう決まる？鉄道模型の流通の仕組みから専門店に聞いてみた」の記事で紹介しています。

とはいえ、鉄道模型は自分の遊びたいように遊び、売りたくなったら売る、くらいに考えておいたほうが健康的かもしれません。